スポットライト効果とは、「自分が思っているほど、他人は自分を見ていない・気にしていない」という認知バイアス(思い込み)のこと。
1999年にトーマス・ギロビッチ(コーネル大学)が発表した論文で初めて証明された。
有名な実験例がある。
大学生に「超ダサいTシャツ」(当時恥ずかしいとされたバンドのTシャツ)を着せて、
部屋にいる他の学生たち(6〜10人くらい)の前に入ってもらう。
その後、Tシャツを着た本人に聞く
→ 「さっき部屋にいた人のうち、何人くらいがあなたのTシャツに気づいたと思う?」
本人の予想(平均):約50%(半分くらいは気づいたはず…)
実際の正解(平均):約23%(4人に1人も気づいてない)
つまり本人は「目立ってる!」と思ってるけど、実際は半分以下しか気づいてない
しかも気づいた人すら、5分後にはほぼ忘れてる。
さらにもう一つ衝撃的な実験がある
「遅刻して教室に入ったとき、みんなが自分を見てる気がする」と思った学生に聞くと
70〜80%の人が「自分に注目が集まった」と感じる
しかし実際に他の学生に聞いてみると、
「誰が遅刻してきたか覚えてない」が8割以上であった。
なんでこんな錯覚が起きるのか(脳の仕組み)
自分は24時間「自分の視点」からしか世界を見られないため、自分の失敗・見た目・行動が大きく感じていること、そして自分の内面(恥ずかしい気持ち、不安)は自分にしか見えないはずだが、 でもそれを「外見にも出てる!」と思い込んでしまう。
脳は「社会から排除される=死」を本能的に恐れるため、昔の村社会では村八分=死だったから、過剙に「嫌われたらどうしよう」と警報が鳴るようにできている。
実際どれくらい「見られてない」のか、現実データを見てみるといかに認知バイアスがあることがわかる。
• 街中で変な服着て歩いても、99.9%の人は5秒後に忘れる
• 会議で変なこと言っても、翌日覚えてるのは自分だけ(他人は自分の発言で頭いっぱい)
• SNSで「痛い投稿」しても、1週間後にはタイムラインから消えて誰も見てない
• 電車で変な音出しても、隣の人はイヤホンで音楽聴いてて気づいてない
「他人があなたのことを考える時間は、あなたが他人のことを考える時間の1/10以下」
だから「人の目が気になる」って思った瞬間、「スポットライト効果だ!」って呟くだけで、
だいたい30〜50%くらい不安が消えるので試してみて。
