以前開催したアーティスト座談会で、『アート分野ではAIは人間に勝てるのか?』
というテーマが一つ取り上げられました。
最近では生成AIのアートも簡単に作れて、アート分野においてもAIがどんどん入ってきていますよね。
将棋の世界でもついにAIが人間より勝ってしまったと。
では、アート分野ではAIが人間に勝る日がくるのでしょうか?
しかしこの質問自体が質問を成していないということに気づくことができます。
アートとは何か?
そもそも勝ち負けを決めることができる対象であるのか?
というところから考えてみると、アートとは、創造的な表現や精神にあるものを表出させて作り出されるもの。
いわば、作り元となる人間の心や魂が分化したようなものであると考えるのです。
うまい例えではないかもしれませんが、食べ物で例えると、本物のカツ丼と、サンプル品。
どちらがおいしいか?
と問われているようなもので、本質がまるで違うのです。
(うまい例えではないけどカツ丼はうまい)
AI生成アートは、確かに人の目を引くような美しい色調と、バランスの良い構図で、一見それらしくは見えているけど
本物のアートは、違う。
その色ひとつ選んだアーティストの心、
その筆の動き、
色の重ね、
壮大なアーティストの思いやストーリーがそのアートに込められているのです。
ある意味では、AI生成アートが2次元とするなば、アートは高次元のものと捉えることもできるかと思います。
本物のアートを鑑賞することは、その高次元を利用して自分の内面を探求したり、自由に創造の世界を飛び回ることで、心の自由感覚を楽しむことができるのです。
それこそが、人の作るアートの楽しみ方。
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